アドレス

先日セールで安くなっていたので、独自ドメインというヤツを買って見ました。chikuhoupiano.comでつながる様になっているはずです。

ついでに、これまでiwebでサイト編集を行って来ましたが、wordpressを導入して簡単に更新出来る様にしようとしている途中です。
検索等で変なページが出て来るかも知れませんが、見なかった事にして下さい(笑)

グランフィールはじめました

アップライトピアノをグランドのタッチに近づける藤井ピアノサービスさんのグランフィール。
昨年の「ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞受賞」でご存知の方も多いと思います。
もちろんピアノに興味がある方はそれ以前にどこかで耳にした事もあるかもしれませんね。
簡単にグランフィールの説明をします。ご存知の方は読飛ばして下さい。
アップライトピアノはグランドピアノと違い、アクションにダブルエスケープメント機構がないため鍵盤が完全に上がりきらないと次の打鍵が出来ません。
「グランフィール」ではスプリングを追加する事によってグランドと同じダブルエスケープメントを再現。
連打性やピアニッシモの表現をグランドピアノに近づけています。
とりあえず、自宅のアップライトピアノに取り付けてみましたが、両手の交差する様な曲で左右交互に同じ音を弾くときの音が鳴らないストレスは解消されました。些細な事ですが嬉しいです。
このグランフィールは藤井ピアノサービス、藤井幸光さんの特許技術で勝手に真似する事は出来ません。
そこでこの8月、鹿児島の藤井ピアノサービスさんで2日間の研修を受けて取付の認定を頂き、筑豊ピアノでも「グランフィール」を提供出来る様になりました。
価格はグランフィールのパーツ代、取付、調整で20万円。その他の整調、修理があれば別途となります。
グランドピアノに買い替えたいけど置き場所がない、などお困りの方は是非「グランフィール」をご検討下さい。

Y社グランドピアノ ハンマーアッセンブリ交換

何故か今年はハンマー交換をする機会が多いです。
今回はY社純正のパーツですので、アッセンブリ(ハンマーにシャンク、フレンジ一式が取り付けられた状態)でパーツが入って来ます。だから加工とか特にせずにそのまま取り付けます。
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こんな状態で届きます。
何が良いかと言うと、ハンマー穴あけや植え付けを工場でそればっかりやっている人がやってくれるので、慣れない技術者がやるのとは精度が違います。
その代わり部品自体が割高で、「現行機種の」純正パーツのため古いピアノとは角度や穴あけ位置が違う事もあります。また、理想的なハンマーと弦の角度を実現する為には自分で測定、穴あけする必要があります。
余談は置いといて作業の方の紹介を続けます。
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元の状態です。
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ローラー(ナックル)と呼ばれる部分です。新しいものと比べると消耗がはっきりとわかりますね。
手順としては古いハンマーを外して、新しいハンマーを取り付けるだけです。
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出来るだけ元の位置に付けたいのでこのように交互に取り外し、間隔を確認しながら取り付けていきます。
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完了です。あとは交換した部分に関係のある整調の狂いを直して、整音をすれば終わりです。
今回は頼まれ仕事で「あまり針を刺さないで」とのご依頼でしたので、整音は揃える程度で3弦合わせ(同時打弦)と軽いファイリング程度で済ませました。
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(個人的にはこのハンマーテールの溝、スカッジの入り方が怖いです。バックチェックという部分と接触するんですが革が破れそう。)

アップライトピアノ バランスキーピン交換

ピアノの鍵盤はシーソーのようになっているのはご存知だと思います。
その支点となるのがバランスキーピンというピンです。
通常真鍮、ニッケルメッキの真鍮などで出来ています。
磨いているのは何度か投稿しましたが、錆が酷い場合は交換します。
こちらはY社の新しめのアップライトですがかなりの錆です。
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頑張れば錆も落ちて綺麗になる!と言う方もいるでしょうが、ここまで錆びていると細くなったり真円じゃなくなったりしますので交換します。
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一部分だけ錆が酷いですね。おそらく何かしらの錆の原因が付着していたんでしょう。
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いつもは安いパーツサプライヤの共通部品を使いますが、今回は他の状態がとても良かったのでY社純正のパーツを使いました。
引っこ抜いて打ち込むだけの作業ですが、新しいピンを曲げない様な工夫は必要です。
これで手入れを続ければキーピンはツルツルでタッチも滑らか、キーブッシングクロスの消耗も抑える事が出来るはずです。

グランドピアノのダンパーフェルト交換

少し余裕ができたのでブログでも書こうかと一覧を見ていると、前回から2ヶ月も経ってますね・・・
Facebookの方には一部写真を載せたりしていますが、ブログとして文章を書くとなると時間と気持ちのゆとりがなくて更新が遅くなってます。
以前アップライトのダンパークロスの交換では触れませんでしたが、ダンパーの説明を少ししましょう。
ピアノはハンマーが弦を叩いた時に音が出て、後は徐々に弱くなりそのうち消えますが、自然に消えるまで鳴りっぱなしでは音楽になりません。また色んな音が共鳴してとてもうるさいです。
不必要な音を止めるための止音機構がダンパーです。
仕組みとしては弦をフェルトで常時抑えておいて、必要なときだけ弦から離れる様になっています。
グランドピアノの場合は弦の上に乗っているので、お客様から見ると一番目につく部品かもしれません。
フェルトが経年変化で固くなると音の止まりが悪くなり、倍音が残る様になっていたので修理しました。
ダンパーはウッドに赤いライニングフェルトが接着、更にダンパーフェルトが接着されていて、場合によってはライニングフェルトを残してダンパーフェルトのみ交換と言う事もありますが、今回はライニングフェルトも固くなっていて、高い部品でもないためライニングフェルトも交換しました。
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ダンパーを下から見た写真
とりあえず、すべて剥がして接着するだけです。簡単です。
多少コツと言うか、こうしてしまうと大変と言う部分はありますが本当に簡単です。
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剥がしてウッドとワイヤーだけの状態
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ライニングフェルトを接着
・・・毎度の事ですがダンパーフェルト接着後の写真を撮り忘れました。
あとは取付時にワイヤーの曲げ具合を調整して、ちゃんと音が出てちゃんと止音する様にします。

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低音や中音域のダンパーフェルトが弦の間に入る部分は、片方だけ止音不良のままと言う事も多く、

スタッカートで音が切れない時などはこのワイヤーの調整だけで良くなったりします。

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剥がしたフェルトの残骸