やっと注文していた部品等が入って来て修理が進みました。
年: 2016年
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KG-5Cその3
まずは鍵盤のブッシングクロス。弾いていなくて虫食いにあったため、ピンの接触しない部分だけ食われています。段差に引っかかり鍵盤が戻らない事もあります。今回はPVAと言う種類の接着剤をつかってみました。初登場、ダンパーガイドレールです。これも虫に食われてますね。ついでなので交換します。これは接着されてませんので押し出して、新しいクロスを押し込むだけです。取り付けました。カワイは響板がいつまでも綺麗ですね。次はローラーと言う部品です。今回、計測してみると規格品にないサイズだったので特注しました。新しくなったローラーこの辺は何度か投稿していると思いますので省略します。いよいよ張弦開始。この青いフェルトが特注で弦が張れませんでした…^^;低音弦は浜松で作ってもらいました。新しい銅が美しいですね。ちなみに、通常は一本取り出しては後方に引っ掛け、前に移動してチューニングピンに巻きつけ、次の弦を取り出し…とやりますが、ピアノが大きく、部屋も狭いので移動が少なく済むようにやってみました。低音弦にリボンフェルトも取り付けて張弦完了です。いよいよ終わりが見えて来ました。 -
KG-5Cその2
さっさと弦を張って落ち着かせたいところですが、部品調達の関係上、先に外装をやっています。
まずは真鍮パーツの磨きから。カワイのペダルは錆止めにラッカー塗装をしてあり、ペーパーで削ってから磨く…と教わったんですが、ペーパー目が消えず白っぽく乱反射する仕上がりになる為最近は薬品を使うようにしてます。塗装を剥離し錆を洗い落とした所です。実際の作業としては薬品を塗りつけ放置、洗い流して別の液に漬け込んで放置、その後こすり洗い、という感じで間に他の作業が出来るので嬉しいです。バフ研磨機という機械で磨いて完了です。このままの方が美しいのですが、すぐに黒くなるのでクリア塗装しておきます。(この辺は好みというか、考え方次第ですね。何も塗らずに調律の度磨くのも良いと思います)そして空いた時間は本体の磨きをしました。この白いブツブツ、おそらくカビです。そして塗装自体も盛り上がってます。塗装は専門ではないのですが、塗膜が浮いてずっと削っていけば空洞になっているのではなかろうかと思います。このまま磨くだけでも良かったんですが、個人的にツブツブした物が密集していると気持ち悪いので、目立たない部分を削って見て塗膜がかなり厚い事を確認し、全体をある程度研いでから磨く事にしました。磨いた後の写真は映り込みがあって難しいんですよね。だだっ広い所か完全に囲ってしまえると良いんでしょうけど。一応触ってわからない程度には平らにして艶も出てます。後は鍵盤や鍵盤のキャプスタン弦の振動を区切るアグラフやカポダストロバーなんかも磨いて、そろそろパーツ届いてくれないかな…とヤキモキしてます。 -
KG-5C預かり修理1
カワイの40年前のグランドを修理の為お預かりしました。
搬出、搬入ともに大変で、運送屋さんにはご迷惑おかけしました^^;2メートルあるとうちの作業部屋では狭いです。錆、カビ、虫食いが酷いので色々交換します。まず大屋根のピンが外れず苦労しましたがなんとか外し、ダンパーを外しました。音は止まってましたがダンパーフェルトもかなり虫に食われてます。弦を徐々に緩めます。あまり調律もせず放置してあったのでチューニングピンが固いです…低音の巻線は専門のところに作って貰うのですが、今回のピアノは見本があった方が安全という事で外した弦を送ります。全ての弦を外し終わりました。他にも駒の高さを測ったり、フェルト、クロス類の厚さを測ったりして必要な物を書き出して1日目は終わりです。 -
アドレス
先日セールで安くなっていたので、独自ドメインというヤツを買って見ました。chikuhoupiano.comでつながる様になっているはずです。
ついでに、これまでiwebでサイト編集を行って来ましたが、wordpressを導入して簡単に更新出来る様にしようとしている途中です。検索等で変なページが出て来るかも知れませんが、見なかった事にして下さい(笑) -
グランフィールはじめました
アップライトピアノをグランドのタッチに近づける藤井ピアノサービスさんのグランフィール。
昨年の「ものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞受賞」でご存知の方も多いと思います。
もちろんピアノに興味がある方はそれ以前にどこかで耳にした事もあるかもしれませんね。
簡単にグランフィールの説明をします。ご存知の方は読飛ばして下さい。
アップライトピアノはグランドピアノと違い、アクションにダブルエスケープメント機構がないため鍵盤が完全に上がりきらないと次の打鍵が出来ません。
「グランフィール」ではスプリングを追加する事によってグランドと同じダブルエスケープメントを再現。
連打性やピアニッシモの表現をグランドピアノに近づけています。
とりあえず、自宅のアップライトピアノに取り付けてみましたが、両手の交差する様な曲で左右交互に同じ音を弾くときの音が鳴らないストレスは解消されました。些細な事ですが嬉しいです。
このグランフィールは藤井ピアノサービス、藤井幸光さんの特許技術で勝手に真似する事は出来ません。
そこでこの8月、鹿児島の藤井ピアノサービスさんで2日間の研修を受けて取付の認定を頂き、筑豊ピアノでも「グランフィール」を提供出来る様になりました。
価格はグランフィールのパーツ代、取付、調整で20万円。その他の整調、修理があれば別途となります。
グランドピアノに買い替えたいけど置き場所がない、などお困りの方は是非「グランフィール」をご検討下さい。