ピアノの専用椅子には背もたれがないベンチタイプ(新高低自在椅子)、昔懐かしい丸椅子、背もたれ付きのもの(高低自在椅子、トムソン椅子、5号椅子などと呼ばれます)などがあります。
今回は背もたれ付き椅子の座板の修理です。
まずはご覧ください。
いつも調律させて頂いている保育園の椅子をふと見ると、何やらテープでぐるぐる巻き。
よく見てみると割れていて、テープで何とか繋がっている状態で使用するのは危険では?
修理するにしてもいつまで時間がかかるかわからない為、ご相談してこの椅子は引き取り、別の中古椅子を買って頂く事にしました。
テープを剥がしたところ。
構造としてはOSB合板の様な板に突き板を貼って、紫のクッション部分と裏側にある高さ調節の機械を埋め込む部分を彫り込んであるようです。
上手い事テープ貼ったものだと関心します。
クッションと機械は使えそうですが、はっきり言ってこの座板は使い物にならないので新しく作りました。
買って来た板を座板の形に切り出し、クッションを埋め込む部分(線を引いてある内側)と裏側の機械を入れる部分をトリマーで削ります。
毎度の事ながら、写真を撮り忘れてます
外側を面取りビットで削って丸くして、サンドペーパーを80〜320番ぐらいまでかけて、塗装。
目止め(多分砥の粉を使った)をして中塗り(何使ったかチョット覚えてない)、平滑に研磨、上塗り(ラッカーを使いました)、また研磨してポリッシャーで磨き完成。
塗装は難しい〜。
文章ではたった2行ですが、平面を出すのも大変ですし、設備もないので虫がついたり、ムラが出来たり、垂れたり・・・
何回も吹き付けて乾燥時間も長めにとって結局1年以上かかってます。
仕上がりは一応艶もあるし鏡面塗装っぽいのでこれ以上は諦めました。
組み立てたところの写真も撮ったつもりでしたがどこに行ったかわからない・・・・・・
この椅子は先日売れましたが、修理中/修理待ちの背もたれ椅子があと2台ありますので、中古椅子欲しい方でお急ぎでない方はご連絡ください。
背もたれ椅子をお使いの方は座板の後ろ側にヒビ等ないか時々確認した方がいいかもしれません。