セントルイスツアー4

 実質セントルイス最後の日になる14日は、午後のツアーを全員申し込んでいたので午前中だけクラスに参加。僕はVoicing Abel Hammer、アベルハンマーの整音へ。

 Norbert Abelさんがアベルハンマーの説明をし、その後PTG会員が整音の仕方を説明、実際にグランドピアノの一部を4種類の新しいアベルハンマーに交換、整音作業を見せて貰いました。

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他の方達はRick Butler さんのAll about Aural Tuning。感応調律のクラス。(アメリカをはじめ海外では機械を使った調律が比較的多いです) 何人かは前日のIntro to Movie Making Using Final Cut X(こちらもRick Butler さん)にも参加されていましたが、研修の見せ方に大変参考になったそうです。

 お昼はIAPBTのランチ会で食後は各国が合唱を披露。JPTAは最後のアピールと全員で法被を着 て、お礼の挨拶と浜松へ来て下さいというお願いの後「幸せなら手を叩こう」を歌いました。偶然ではありましたがアメリカではガールスカウトで歌う歌らしく、懐かしかったと大絶賛。必ず行きますと声をかけて頂きました。

 

 そしてツアーへ。この日はバドワイザーのビール工場見学でした。セントルイスの町を通ってバドワイザーへ。途中カーディナルズのスタジアムやセントルイスのシンボル、アーチも見れました。試飲もあったのでビール好きな方は楽しかったでしょうね。

 

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 夜はまずBarbershop Choras。床屋でお客さんがコーラスをやっていたそうで、この演奏会の為に現地で集まったみたいです。クラスのお部屋を見て回っている時に練習している部屋があり、参加者募集と書いてありました。

 指揮者に隠れてしまっていますが、 JPTAからも一人参加しています。 浜松大会ではJPTA合唱団が素敵な歌声を聞かせてくれる事でしょう 

 その後はヤマハのレセプション。ベース、ドラム、ピアノの典型的ジャズトリオで中央にはダンスステージがあり自由に踊れるようになっていました。

 自動演奏にしておいて演奏者が休憩に行ったのは面白かったです。 

セントルイスツアー3

13日は完全にフリー。植物園と歴史探訪ツアーもあり、そちらに行かれた方も多かったですが、せっかくのPTGコンベンションなので時間の許す限りクラスに参加してみました。

 クラスは朝8時から夜7時まで90分ずつで5時限あり、時間帯にもよりますが10種類近いクラスの中から選びます。多過ぎて困ります。ちなみにPTGでは専用のアプリ?サイト?があり自分のスケジュールを管理出来るようになっていました。

まずはTaking of the actual PTG Written Exam、筆記試験です。時間の都合で2限目からです。 いつかはRPT(Registered Piano Technician、筆記・実技・調律の各試験に合格した技術者)に、と思ってはいますが、今回は情報収集に。事前に日本語の試験問題もあると聞いてはいましたが、何と言ったら良いかわからず、日本から来たと伝えてなんとか日本語の問題用紙を貰い受検。

最初は書き方も良くわからず、用語も日本と違い、日本では聞いた事もないような問題もありましたが無事合格しました。その場で結果が出て実技試験に進む為の紙が貰えました

 3限目はThings All Things Piano Technicians Should Know、ピアノ技術者が知っておくべき全て?です。タイトルに惹かれて参加してみましたが、グランドピアノのインシュレータ交換等の持ち上げ方、 アクションの引き出し方から、この雑音はなんでしょう?見たいなクイズなど面白かったです。

 4限目は日本の他の方達と合流してRecapping the Vertical Bass Bridge without Removing the Plate、フレームを上げないで低音部の駒を修理する方法です。講師は駒や響板でおなじみのPiano Bolducのクリスチャン・ボルジュックさん。Factory Manager (工場長?)です。 駒を一定の高さで削って新しいキャップを貼り、駒ピンを取付け弦を戻す。通訳してくれてわかりやすかったです。

 5限目はInside the RPT Tuning Exam、調律実技試験のお話です。 調律の試験は時間が4時間だったり、ただピッチを上げる調律ではなかったり、色々と日本の技能検定試験と違うようです。

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スタビリティ、調律の保持が重視されています。 

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 夜はカワイのコンサートでピアノはSK-EX#92、調律はクサカベ ヨシハルさん。Nicholas Susiさんがラフマニノフ、ロッシーニ、 シューベルトを弾きました。 

セントルイスツアー2

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PTGは今年(2017年)60周年、テーマはPiano A Life(ピアノのある人生)です 。

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ホテルにチェックインしてすぐにIAPBTの歓迎レセプションがあり、 そのままPTGオープニングセッション。国歌やPTGの歌らしきものを斉唱してから始まったり、各州からの参加者がいるか呼びかけてそれに応えたり(点呼?)、その流れでIAPBTで参加している各国代表は起立させられたり とアメリカらしいなと感じました。

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 そして会長による歓迎レセプション。軽食が出され有料のバーカウンタもあり、かなり賑やかなものでした。PitchlockのScott Jonesさんがピアノの弾き語りとカラオケの伴奏をする出し物を見て、ここに乱 入して浜松大会のアピール。 法被を着て「上を向いて歩こう」を歌いました。スキヤキソングとしてアメリカでも有名なためご覧の様になかなか 受けが良かったです。

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   翌12日のIAPBT理事会の様子。日本からの出席は日本ピアノ調律師協会会長、 副会長以下6名で す。 この場で浜松の次の世界大会は、2021年はユーロピアノ、2023年はPTG主催で開催される事が決まりました。

   昼食後、今度はIAPBT総会(一般セッション/シンポジウム)。承認等の後各団体の代表によるシンポジウムプレゼンテーション「ピアノのある人生」。 通知が遅かったらしく、各国が自国のピアノ業界の現状など発表するなか、日ピの会長はちゃんとテーマに沿った講演をされました。(笑)もちろんPTGの会長も。

 

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   若干前後しますが、この日正午より展示ホールがオープン、メーカー、サプライヤー、PTGなどの合計44団体のブースが出展されていました。(今数えました) 

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 中には上の写真の様にボロボロのピアノもあり、来年のコンベンションの時は完全に新品のようになっていると説明書きがついていました。多分。 

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 夜はPTG Foundation(財団?)のコンサートです。Ragtime Dr.Dave ラグタイムの演奏でスクリーンには手元 が映し出されます。

Maple leaf ragやThe entertainerなどまさにアメリカ、という音楽です。 

 これでIPPBT世界大会出席という大役は果たした事になります(現に中国の方達は一足先に旅立ったようです)が日程はまだ半分も終わってません。 

セントルイスツアー

かなり今更になってしまいましたが、昨年7月の旅行について・・・
日本ピアノ調律師協会のツアーでしたので、もしかしたら会報等に文章を出す必要があるかと公開は控えておりました。

 2年に1度行われるIAPBT、国際ピアノ製造技師調律師協会の世界大会、今年はアメリカPiano Technicians Guild(PTG)主催でミズーリ州、セントルイスで7月11~13日 の3日間行われました。

 今回のツアーは主にIAPBTの理事会・総会、 PTGのAnnual Convention、ニューヨークの工房 見学の3つに分けられます。

 IAPBTは2年に1度世界大会を行っていて今回はアメリカ、次回は浜松での開催が決まっています。浜松大会へ来て下さい、とお願いするのが参加者へ課せられた使命です。

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 九州北部豪雨の最中、後ろめたさも感じながらの出発となりました。 成田空港を出発して11時間40分、アメリカの中部ダラスへ、そこからセントルイスまで約2時間と長い飛行機の旅の末、道中入国審査が何言ってるかわからなかったり、保安検査で引っかかる人がいたりとハラハラしましたが無事セントルイスへ到着。

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 会場となる「セントルイスユニオンステーションホテル」

昔はセントルイスの町の駅舎だったそうですが、アメリカは鉄道での移動が廃れて来たそうで、今ではホテルとして使われているようです。 

長くなりますので一旦この辺で。

ピアノの魅力レクチャーコンサート2017

10月25日、北九州市八幡東区の響ホールにてかねてよりお知らせしておりました「ピアノの魅力レクチャーコンサート2017」が開催されました。

朝9時から搬入。今回は見てるだけです。

とりあえずの設置位置。

現在のピアノでは中音、低音の弦が斜めに、低音弦は中音部にかぶさるように交差して張られていますが、このピアノは全て真っ直ぐに張られ「平行弦」と呼ばれています。

低音の巻き線も現在では銅ですが、銀巻き線となっています。なんでも当時は銅より銀の方がしなやかだったとか。

そして弦の途中にあるダンパーは今とは逆に下から押し付けるタイプ。

 

慣れない運営で各所にご迷惑おかけしましたが、演奏と2台のピアノはご来場頂いたお客様からは大好評でした。個人的にはエラール、というか1845年のピアノがこんなに良く鳴るとは思っていませんでした。